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気質を知ろう 私とあなたを知るために

                        気質を知ろう 
                     私とあなたを知るために

 ひびきの村では、「あなたは粘液質ね。」「こんな行動をとるのは胆汁質のせいよ。」という会話がよくあります。世間では「おおらかな性格は0型だからね。」などと主に血液型でその人なりを言い表すのが一般的です。

1、 気質とはなんでしょう?
 仲正雄氏の講演録に「気質というのは性格判断とは違います。気質に目覚めることで人間と自然(四大要素 火、風、水、土)との中には共通した力が働いているという意識が持てるようになるのです。」と述べられています。また、「気質への認識は自分に出会いたい。自分を変えたい。そういう時には必ず役に立ちます。そして何よりも、自分と自分以外の人を理解するきっかけを作ってくれる大切な鍵となってくれるのです」と。血液型は変えられないけれど、気質は固定性がある上で流動性もあるので状況に応じて変わるものだといわれます。気質は年齢によっても変わります。また、季節によっても一日の中でも変わるものなのだと。

2、気質にはどんなものがあるのでしょう?
(憂鬱質-土)
 ・身体が重く自分が石のようになってしまう人です。
 ・ものごとをコツコツする人です。
 ・字を書けば活字のようにきれいな字を書きます。
 ・整理整頓がきちんとできます。
 ・数につよいです。
 ・何か言われると傷つきやすいです。
 ・昔あったことをよく覚えています。
 ・しゃべり方はゆっくりで硬いです。
 ・外の世界から自分の世界へ入ってくるものをあまり楽しいとは感じません。
 ・食べることがあまり好きではありません。

(多血質―風 血が多いのではなく血をたくさん使うという意味)
 ・一箇所にとどまっていられない風のような人。
 ・外にすぐに反応する人。
 ・食べるのが好きです。
 ・部屋を片付けるのが苦手です。
 ・オッチョコチョイで軽はずみなところがあります。
 ・色んなところへ行きたがります。
 ・あっちにもこっちにも興味がいきます。
 
 (粘液質―水)
 ・風船の中に空気の代わりに水を入れたようなイメージ。
 ・外との関係がゆっくりしています。(ゆっくりという意味では、憂鬱と同じですがゆっくりの質が  違います。)
 ・食べることが好きです。ゆっくり味わって食べます。粘液の人は水をあまり飲みません。すで  に体のなかに水分がたくさんあるからです。
 ・外から入ってくるものは楽しいけれどゆっくり、じっくり味わいます。
 ・外の世界に関心はありますが、一つのところにとどまってしまいます。
 ・長い時間かけてすることが好きです。

(胆汁質―火)
 ・外との世界の関わりが激しい人です。
 ・好き嫌いも激しいです。
 ・声が太くて力があります。
 ・断り方もきついです。
 ・自分の言いたいことを押し通します。
 ・自分のやりたいことを外に出していきます。
 ・革命家のような人たちです。
 ・力があります。
 ・食べるのも早いです。
 ・わがままでやんちゃでガキ大将タイプです。

 あなたはどのタイプですか?
入間カイ氏の「四つの気質から身体の理解へ」という本の中で、
こんな詩の紹介がありました。

                四つの気質と途上の石
                           ハインリヒ・パイトマン
        石の上を元気に軽々と飛び越えるのは多血質。
       つまずいたところで気にもとめない。
       胆汁質は、鼻息荒く力強い足で石をどけ、
       うまくいけばその目はきらめく。
       粘液質は歩調を適度にゆるめ、
       「お前がどかないなら回り道をしよう。」
       しかし、石の前にじっとたたずむのは憂うつ質。
       その顔には果てしない不運への嘆きが浮かぶ。

 四つの気質の特徴がよく表されていて面白いですね。
自分の気質というのは4つの気質すべてが自分の中にあるけれど、4つある気質の中で一番優位に立っている気質なのだそうです。これを読むと、気質には必ずよいところと悪いところがあるのがわかります。常に二重性を持っているのですね。

3、歩き方でわかる気質
 シュタイナーは、歩き方を見れば誰がどの気質かわかるといいました。
リサロメロ氏の講義の中で、歩き方による気質の判断の仕方を教わりました。人の歩き方を真似て相手の気質を考えるというものです。二人組になって相手が歩いて行く後ろにぴったりくっついて歩き方を真似るのです。そしてその人がどの気質かを考え記録します。全員の相手と組になって記録し終えたら、一人ひとりの気質をみんながチェックしていきます。

 私の場合は四つの気質すべてにチェックがありましたが、一番多かったのは粘液質のところでした。自分でも粘液質だということが歩くまねをして理解できました。とにかく多血質の人の歩き方は速いのです。せわしくさっさっさと歩き、後をついて歩くのに息切れがしてしまうほどでした。しかもどこへ歩いて行くか見当もつかないのです。同じ粘液質の人だと、歩調も合いゆったりと歩くことが出来ました。この取り組みは、外から見るとあの人たちはいったい何をしているのかと思われてしまいますがとても面白かったですよ。あなたも一度試してみてください。

 シュタイナーは次のように述べています。
胆汁質の人は、
 一足ごとにただ地面に触れるだけではなく、足を地面の中にのめりこませるような歩きかたをする。

多血質の人は
 胆汁質の人とは反対に、飛び跳ねるように歩く。

粘液質の人は
 だらだら、ふらふら、悠々と歩く。

憂うつ質の人は
 頭を前にたれて、引きずるような歩き方をする。

4、気質の考え方
 シュタイナーは子どもの中にある気質をその成長の中で見てあげないと子どもが苦しむことになるといっています。
大人になっても自分の気質が社会生活の中でうまく発揮できないでいると、自分の中のバランスが崩れてきます。

 入間カイ氏は本の中で、学校の崩壊、職場での人間関係、多くのストレスやプレッシャー、生きがいの喪失など人をつらくする今の現実は、物質を重視しすぎて「気質」を忘れているからだと述べています。

 人間、テンポを崩されると一番ストレスを感じます。私は多血質の人の歩き方を真似ただけで、息切れがしてとても疲れてしまいました。反対に、多血質の人がゆっくりの人に歩調を合わせて歩くのはイライラすることでしょう。テンポの中に気質が一番よく見えると仲氏も言います。それを意識すると自分の健康を取り戻せると。

 気質の考えは、古代ギリシャの哲学、医学の根本思想にさかのぼるのだそうです。人間の体は地球を作っている要素と同じで、地、水、風、火からなり、その不均等な状態が病気に他ならないと考えました。仲氏の講演録によると、この四大要素はギリシャ時代には医療の中に積極的に取り入れられ、中世ぐらいまで医療として絶対的な力を持っていたのだそうです。

 17,8世紀になって人間の体を臓器の機能とみなすようになり、臓器の機能を回復させれば健康になるし、悪ければ切ってしまうというふうに医療は変わりました。それまでは、体質だけではなく気質、性質までトータルしたものを人間の健康を司っているものとして医療の対象にしていたのです。解剖学ができて、人間は肉体だけの存在ということになったというのです。

5、四大要素(地、水、風、火)と身体との関係
 人間の本質の中で、人間には肉体、エーテル体(生命体)、アストラル体(感受体)、自我の4つからなることはお知らせしました。
シュタイナーは、自我が他の構成要素を支配すると胆汁質が現れ、アストラル体が強くなると多血質が現れ、エーテル体が強くなると粘液質が現れ、肉体が強くなると憂うつ質が現れるといっています。また、子どもの場合は、自我が強いと憂うつ質が現れ、アストラル体が強いと胆汁質が現れ、エーテル体が強いと多血質が現れ、肉体が強いと粘液質が現れるのだそうです。


         大人        子ども
胆汁質    自我        アストラル体
多血質    アストラル体   エーテル体
粘液質    エーテル体    肉体
憂うつ質   肉体        自我


6、気質はそれぞれが影響しあっている
 気質の授業の中で、地、水、風、火の四大要素を体で表現するという体験をしました。
受講生、皆でまず「石」になります。しゃがみこんで下を向き、じっと硬くなり動きません。体が重く感じられ気持ちも憂うつになってきます。憂うつ質そのものです。

 次に、「水」になります。水は地面にそって流れます。途中石や岩があるとそれをよけて流れていきます。どんな障害物があっても動じません。流されるまま、我が道をどこまでも行きます。粘液質そのものです。

 次に「風」になります。風はどこへでも飛んで行きます。方向も自由自在に変えられます。軽やかです。多血質そのものです。
 次に「火」になります。「火」は激しく燃えます。上へ上へと燃え上がります。
胆汁質そのものです。

 今度は、二つの要素を一緒に動きます。「石」と「水」ではどうでしょう。石は変化がありません。「石」と「風」、「石」と「火」でもあまり影響がありません。「水」と「風」では、風が吹くと静かな水面が波立ちます。「水」と「火」はどうでしょう。水が多いと火は消えます。「風」と「火」はどうでしょう。火は風が吹くとどんどん激しく燃え上がります。
気質同士、このようにお互いに影響しあっているのですね。

 授業の最後にすべての四大要素を一度に皆で表現してみました。受講生の半数が仰向けに輪になって寝転びます。その上を、地、水、風、火の表現をそれぞれが動きます。大地に寝転びその動きを眺めてみると、見事に調和した動きを見ることができました。地球はこの四大要素の調和の中にあることをあらためて感じたのです。この調和が崩れ、どれかが強くなるとたちまち災害が起こります。人間も同じなのだと思いました。シュタイナーは語ります。「気質の差異がなくなり、皆が均一的な気質になったら世界は退屈です。多様性、美しさ、生活の豊かさは種々の気質があることによって可能なのです」と。

7、では教育において気質をどのように考えたらいいのでしょう?
 シュタイナーは、教育において気質を均一にすることが問題なのではなく、気質を正しい軌道にのせることが大事だといいます。気質を導くためにはその人に存在していない気質ではなく、その人が持っている気質を入れるという基本を守る必要があるというのです。

 仲氏の講演録の中でも、「人間は自分の気質と一緒にいるとき元気になります。私たちは自分を変えようとするとき、出来ないところを出来るようにしようとするのですが、気質に限っては“ある気質を伸ばせ”」と述べています。

 ロイ・ウィルキンソン著の「教育における四気質」の本を読むと
教育において大切な基本は子どもを理解すること。それには気質の研究が大いに役立つでしょうと書かれてありました。

 胆汁質と粘液質は向かい合っている対極のものです。多血質と憂うつ質も対極です。たいていの人は、隣り合っている気質は持っていますが対極にある気質はない傾向にあるのだそうです。

教師は、個々の子どもの気質に合わせて対応することが大事だといわれます。

胆汁質の子どもには
 競争、ライバルは胆汁質の子どもには心の糧になります。教師は子どもにとって権威があり弱点を見せてはなりません。個人の価値を尊重することが胆汁質の子どもには魔法の力になります。胆汁質の子どもには困難が必要です。人生は安易でないようにしなければなりません。胆汁質の子どもは割り算と相性が合います。扱う楽器は打楽器がよいです。

多血質の子どもには
 興味を押さえつけることによって成長を助けることはできません。興味がいっぱいあっても誰か一人への興味があるはずです。多血質の子どもには誰かへの愛が必要です。愛が魔法の力になります。掛け算と相性がいいです。楽器は金管楽器がよいです。

粘液質の子どもには
 朝、目覚めるように冷たい水で顔を洗います。着すぎ、食べすぎに注意します。遊び友達がいることが大切です。他の子どもたちと共に体験することが大切なのです。足し算と相性がいいです。楽器はピアノがよいです。

憂うつ質の子どもの場合
 悲しい運命をたどる物語は憂うつ質の子どもには助けになります。登場人物の運命を共に感じることが教育的に作用します。引き算に親しい関係を持ちます。楽器は弦楽器がよいです。

席決め
 子どもは気質に従って席を決めるべきだといわれます。
「毒をもって毒を制す」というやり方です。たとえば、粘液質の子ども同士だと、互いにうんざりしてきて目を覚ますのだそうです。胆汁質同士だと誰もリーダーになるのを許さないので、あきらめ合うことを学ぶというのです。
席の位置は、粘液質の子どもは窓側、憂うつ質の子どもは後ろの席で静かでほっとでき暖かいところ、胆汁質はドアの近く、多血質は部屋の中心です。
 
8、幼児期の子どもの気質はどうなの?
 シュタイナーは、幼児期までの子どもはまだはっきりとした個人の気質が現れていない時期だといっています。ですから幼児は「この気質」と決められないのです。たいていの場合、幼児は多血傾向にあります。でも子どもの様子を見ていると、この子はゆっくりしたしゃべり方で動作もゆっくりしている。この子はいつも動き回ってしゃきしゃきしているということがわかります。
 
 私たちは、いつも落ち着かなく動き回る子に対して、「少しはじっとしていてよ。」と思い、動作のゆっくりした子に対しては、「いつもぐずぐずして。早くしてよ。」とせきたててしまいます。特に自分の気質と子どもの気質が合わない場合はイライラしてしまいます。気質のことも知らず今まで本当に子どもを苦しめていたと反省します。

 私が保育園に勤めていた時にも様々な子どもたちがいました。今思い返してみると、いつも騒がしく落ち着きがなく、自己主張の強い子どもたちにずっと悩まされていました。その子たちは何かトラブルを起こすのです。私の言うことを聞かなかったり、友だちとけんかをして怪我をさせたり、集団をかき乱したりします。でも考えてみると彼らは問題を起こす分、大人から関わってもらう機会をたくさん持っていたのです。

 おとなしくてクラスの片隅でじっとしていた子どもがいました。その子は一日どんなふうに過ごしていたのかも思い出せないということがありました。目先のことに振り回されて余裕がありませんでした。むしろ、もっと目をかけ、見守ってあげる必要があったのはこのような子どもたちだったのです。自分の子育てにおいても同じようなことがありました。反省することばかりです。

 気質のことを知り、自分や家族、周りの人たちへの理解が少しですができるようになったように思います。自分のないものを求めようとせず、持っているものを少しずつでも高めていくこと。このように考えられると気持ちが楽になりますよね。このことは、子どもや家族や周りの人たちの気質を認めることにもつながっていくように思います。
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by higuchi1108 | 2007-01-16 15:50 | 気質を知ろう