カテゴリ:スイス旅行ゲーテアヌムを訪ねて( 1 )

チューリッヒ→バーゼル→ドルナッハの旅

                     スイスの旅
              (チューリッヒ・バーゼル・ドルナッハ)
 
 9月3日~9月13日まで受講生4人で卒業旅行にスイスに行ってきました。一緒に旅行に行った受講生の一人がスイスに知人(ジョンとアン仮名)がいてそのお宅に4日も泊めてもらいました。そのお宅には3人の子どもさんがいてシュタイナー学校とシュタイナー幼稚園に通っていました。その関係で私はそのシュタイナー幼稚園に2日間実習をさせていただくことが出来とても充実した旅でした。緑いっぱいの美しいスイスの旅を皆さんと分かち合いたいと思います。

ドバイ経由でチュウリッヒへ
 千歳空港からチュウリッヒまで、まる1日を費やした飛行機の旅でした。メンバーの一人が格安チケット(往復15万円ほど)を購入してくれたのです。格安なのでドバイ経由の南周りでも仕方がないと思っていたのですが、なかなかの快適な飛行機の旅になりました。エミレーツ航空はさすがアラブのお金持ちの国の飛行機会社とあって今まで乗った飛行機の中で一番きれいで豪華でした。エコノミークラスでも一人ひとりの座席の前にビデオデッキが供えてあり好きなときに色々な映画を見ることができるのです。スチュワーデスさんの白いベールのついた帽子がとても魅力的でした。

ドバイについた時刻が朝の4時ごろだったにもかかわらず空港の中は人でいっぱいでした。とても広い空港にいろんな国の人たちがいました。ドバイからヨーロッパ、アフリカ、アジアなどあらゆる国に24時間飛行機がひっきりなしに飛んでいるのです。待ち時間に夜が明け、どんよりとした大きな太陽が昇るのがみえました。遠くに砂漠の中の近代的なビルが蜃気楼のように見えます。緑が全く無いのです。ここは砂漠なのだと改めて思いました。

チューリッヒからベッチコンへ
 チューリッヒから電車とバスを乗り継いで30分行くとアンとジョンの住むベッチコンという小さな町があります。ここはドバイと違い緑いっぱいの美しいところです。パッチワークの畑、とうもろこし畑、牛たちがのんびりと草を食べている景色は北海道と似ているのですが家のたたずまいが違うのです。スイス伝統の建築を大事に守っているのです。家の窓にはお花が咲いていて庭も美しく手入れがしてあります。小さな集落には必ず高い塔のある教会があります。
 ベッチコンの教会
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 次の日は、ジョンとアンの家から歩いて5分ほどのところにある湖に遊びに行きました。ジョンがカナダに住んでいるときに作ったというカヌーを持って。
私もカヌーに乗せてもらいました。途中運河のように幅の狭いところに来ると、両岸にはりんごやなしの木がたくさん実をつけていました。その実をカヌーの上からもぎ取ったりしてなんとも優雅な遊びの時間でした。
 ベッチコンの湖
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シュタイナー幼稚園に見学実習をさせてもらって
 アンの計らいでベッチコンのシュタイナー幼稚園に二日間実習させていただきました。スイスでは少し大きな町にはシュタイナー学校が1つはあるのだそうです。そこは学校と併設された幼稚園でシュタイナー建築の立派な建物でした。学校の教室もそうなのですが部屋が六角形に作られています。四角の角のある教室ではなく出来るだけ丸くて包まれているような空間を目指して作られているのだそうです。私が実習させていただいたクラスの先生はベテランの先生でどっしりとした頼りになるやさしい先生でした。スイスでは新学期が始まったばかりなのに、新学期とは思えないほど子どもたちはとても落ち着いていました。

(一日の流れ)
 8:00 登園
      部屋での自由遊び
 9:30 お片づけ
      朝のあいさつ
      ライゲン
10:00 おやつ
      お絵かき
10:40 外遊び
11:45 お話か人形劇
12:00 降園
 
 朝の自由あそびでは、収穫の季節だったので部屋には麦の穂が飾られていて子どもたちと一緒に麦の穂を手でもんで麦を取ってビンに入れる作業をしました。麦は子どもたちと一緒に粉にしてパンを焼いて食べるのだそうです。
 きれいに飾られた麦の穂
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 季節のテーブル
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 私は手仕事として、りんごの芯をとりなべに入れて蜂蜜と共に煮てそれを手動のミキサーにかける仕事をしました。これはおやつの時間にパンと一緒に食べます。おやつは毎日りんごのペーストとパンです。その土地で取れるものを食べるようにしているとおっしゃっていました。りんごの煮えるいい匂いが部屋中に漂っていました。先生の手仕事の机には大工道具一式、裁縫道具一式が置いてあり、その日は壊れたおもちゃをなおしておられました。

 部屋遊びが終わるとお片づけです。お片づけの様子は日本のシュタイナー幼稚園と同じでしたが布の片づけが印象に残りました。大きな布は二人で持って歌を歌いながらたたんでいきます。小さな布を持った子は先生の前に並びます。先生は足を広げて座りその中へ子どもを仰向けに寝かせます。子どもの顔から胴にかけて布をかぶせ、先生はアイロンをかけるまねをしながら布をたたんでいきます。子どもたちはくすぐったいやら気持ちいいやら、みんな笑っています。布がたたみ終わるとその子の要望にこたえて頭の上や背中、腰のところに布を置いてもらい様々な動物になって布をしまいにいきます。お片づけもこんなに楽しく工夫しておられるのだと感心しました。

 おやつの後はお絵かきがありました。このクラスではステッククレヨンを使用されていました。シュタイナー幼稚園では普通ブロッククレヨンが使われているので聞いて見ると、ブロッククレヨンでは正しい持ち方ができないので使っていないということでした。子どもたちは描き終わると先生のところへ絵を見せに行きます。先生は一人ずつひざに抱いて絵を見ながら歌を歌ってあげます。そのときの子どもたちの笑顔が印象的でした。ドイツ語なのでわかりませんが、きっと「とっても素敵な絵ね。」という歌なのでしょう。
 
 お絵描きが終わった子どもから外へ遊びに行きます。外に出てみると8年生のお兄ちゃんが授業の中で穴を掘ってポンプを取り付けて水道を作る作業をしていました。子どもたちも同じようにスコップを持ってきて穴を掘るまねをしたりして興味津々で眺めていました。二日目には水道は完成し、子どもたちの砂場に水が流れ川が出来ました。お兄ちゃんたちも子どもたちも大喜びです。学校でのこのような作業を子どもたちに見せることは最初から計画されていたそうです。学校と連携をとりながら保育をすることができるなんて本当にいいなあと思いました。

 外遊びの中でも先生はポケットからナイフを取り出し、枝を削ってなにやら作っておられました。枝で作ったお人形のようです。木の葉や花で色をつけて私にプレゼントしてくださいました。
木の枝の人形
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 降園の前に人形劇を見ました。舞台や人形など色や形が本当に芸術的です。シュタイナー幼稚園でも学校でもそうですが、子どもに見せるのだからと簡単な作りのものや漫画チックな物で代用することはありません。
日本で見たシュタイナー幼稚園の人形劇の舞台は長方形のテーブルでしたが、ここではドーナツを半分に切ったような形でした。これだと舞台は広くなるし、演じる人は一人でできるのでなかなかいいなあと思いました。

 保育の途中で歯の抜けた子どもが先生のところへ見せにきました。先生はその歯をとても大事そうに受け取りました。そして胡桃の中に羊毛を少し入れ、その中に抜けた歯を入れ、ふたをしてきれいな布でくるみ、紐をつけてペンダントのようにして子どもの首にかけてあげていました。手早くこのような行為が出来るのは歯の抜けた子がいるときのために、胡桃や布や紐をいつも用意されているのだと思いました。細かな配慮に感心しました。その子は大きくなった喜びを体中で感じているようでとてもうれしそうでした。

 ベッチコンのシュタイナー幼稚園でも、想像力を引き出すような自然で素朴なおもちゃがありその傍らで先生が手仕事をしています。子どもたちは安心して自分たちの遊びに没頭していました。部屋の中で走り回ったり、暴れる子どももいません。静けさの中で穏やかに一日が流れていました。先生が落ち着いて自信をもって子どもたちと接しておられたことも印象に残りました。環境を整えること、リズムのある生活、教師のあり方、どれも本当に勉強になりました。

ドルナッハ・ゲーテアヌム
 ドルナッハでは、ジョンがユースホステルを予約してくれました。4人部屋の2段ベッドでしたが、シュタイナー建築の清潔な宿泊所でした。一泊2500円で泊まれ、設備の整った炊事場もあり自炊も出来ます。スイスは物価が高く日本の2倍以上します。外食だとお金があっという間になくなってしまうので助かりました。

 ドルナッハはさすが人智学の本家です。シュタイナー建築の素敵な建物がたくさんありました。緑がいっぱいの小高い丘の上にゲーテアヌムがあり、その周辺に学校や幼稚園、病院、住宅、お店などが点在しています。静かでとても美しい町でした。
ゲーテアヌム
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 ドルナッハでは、ゲーテアヌム、ゾンネンフォフ治癒学校、イタベークマンクリニック(人智学医療の病院)などを見学しました。

 ゲーテアヌムは写真では見たことがあったのですが、実物を見て意外と近代的な印象を持ちました。ゲーテアヌムの劇場でオイリュトミーや劇の公演を見ることが出来たらさぞや感動するだろうなあと思いました。

 治癒学校はジョンのおばさんに案内してもらい中を見せてもらいました。おばさんは元この治癒学校の職員で今はドルナッハに住んでおられます。見学したときは放課後で誰もいなかったのですが、どの部屋もきれいに整えられていて子どもたちが楽しく過ごしている情景が目に見えるようでした。

 イタベークマンクリニックは1921年に始まったのだそうです。もう90年近い歴史がある病院です。産科で産声をあげてから老人になるまでこの病院でお世話になっている人もいるとか。

 内科、精神科、産婦人科があり医師が20人いるのだそうです。普通の病院と違うところはアントロポゾフィー(人智学)の手当をしていることです。手当ての方法として、治癒オイリュトミー、絵画、彫塑、栄養風呂、外的な湿布などがあります。入り口を入ったところに薬の処方箋をしている部屋があり、べェレダの商品がたくさん並んでいました。

 日本人の治癒オイリュトミストの方を通じて中を見せていただくことが出来ました。普通の病院のような消毒液のにおいがしないこと、廊下にかけられた絵がとてもきれいでした。分娩室や亡くなった方を安置する部屋なども見せていただきました。分娩室は家庭のような部屋の中に分娩のためのベッドとその横に生まれた赤ちゃんのためのかわいいベッドが置いてありました。亡くなった方を安置する場所は教会の中のような雰囲気でした。
ドルナッハの町の様子
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 ロープーウエーと登山電車に乗ってピラトゥス山へ
 日曜日にはジョンの家族と一緒にアルプスの山を見に行きました。バーゼルからルツェルンという町へ行き、そこからロープーウエーに乗って一気に2132メートルの山頂に着きます。雄大なアルプスの山々を眺めようと楽しみにしていたのですが、山頂はあいにく濃い霧に包まれ何にも見えませんでした。残念!

 山頂からは登山電車に乗り継ぎ、今度は一気に下山します。世界で一番急勾配のある電車とのことでした。本当に崖のような坂を電車が走るのです。電車を降りて、今度は遊覧船に乗って湖を横断しルツェルンに戻ります。船の上からは湖畔のスイスの美しい町が映画を見ているように通り過ぎて行きます。
登山電車からの眺め
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遊覧船からスイスの町を眺める
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 ルツェルンの町はスイスに来てやっと観光地らしきところに来たなあという感じでした。
ルツェルンの町
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 スイスの旅もいよいよ最終日。飛行機の乗る時間までチューリッヒの町をぶらぶら歩きました。
歴史博物館
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ペスタロッチの銅像
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 お土産に、スイスのチョコレート、チーズ、それにベェレダの商品を買って楽しいスイス旅行を終えました。
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by higuchi1108 | 2007-09-17 20:41 | スイス旅行ゲーテアヌムを訪ねて