カテゴリ:人間の本質 受講レポート( 2 )

人間本質(2)

〔5〕瞑想
霊我を獲得するには
 シュタイナーはアストラル体を変容させる方法として瞑想することを言っています。

人間の体の中にある精神的な中心点のことをチャクラといいます。心臓の辺りにあるチャクラは蓮の花にたとえると12枚の花びらがあるのだそうです。ほとんどの人のチャクラは半分眠っている状態だとシュタイナーは述べています。そのチャクラをもっと開発することができるのです。筋肉トレーニングをすることによって筋肉を強くすることができるように、精神的な訓練をすると精神的に目覚め活発にすることができます。眠っているチャクラを活発にするのです。
そのための方法として

1、思考のコントロール
 ある一つのものを取り上げて毎日5分間その物について考えるのです。その物はどんな物でもかまいません。鉛筆、クリップ、紙、洋服、靴下なんでもいいのです。その物がどのような過程で出来たのか考えます。他のことは一切考えません。

 キース氏は、思考のコントロールができるようになると、他者が自分をコントロールしようと働きかけてきても、自分の考えを貫くことができるようになり、また、自分の世界を広げてたくさんのものを取り入れることができますと言われました。

 逆に自分の思考をコントロールできないと、自分のことをすばらしい人間だと過大評価したり、自分はまったく何にも知らないだめな人間だと過小評価したりするようになります。
自分のことを過大評価するとエゴイストになります。自分のことを過小評価すると「私はだめなんだ」「人間というのは物質に過ぎないんだ」と考え唯物主義者になるそうです。そして、お金や物がなくなることを恐れます。

 エゴイストは自分を試しにくるような場面に出会うと怒りで対応します。怒りの後には恐怖がきます。そして自分の中に他の人が入らないように押しのけます。

 思考のバランスができるとこの2つの存在のバランスをとることができるのだそうです。キース氏は恐れに対して勇気をもって立ち向かい、自分自身の存在をありのまま受け入れることが大切で、勇気を伴う思考は、私たちを失望から救い上げることができますと述べられていました。

2、行為のコントロール
 やる必要がないと思うことを毎日決まった時間にします。たとえば、かかとをもってぎゅっとつかむ、鼻の辺りをなでるなどです。行為に目的があったらだめなのです。無意味な行為を自分の義務として試みるのです。するとやがて自分の行為をコントロールできるようになるのだそうです。

3、平静さ
 怒るということは、精神界の扉をパタンと閉じることです。忍耐強くある、平静であるということは、精神界の扉を開けたままでいるということです。

4、寛容さ
 寛容でない人に対して、自分が寛容でいられることはとても難しいです。

5、公平さ
  誰に対しても同じ態度をとります。自分自身をオープンにしてどんなことでも自分にやってきたものを自分への贈り物なと思うあり方ができれば、自分の人生のすべての事柄に感謝することができます。「ありがとう」の心です。

6、忍耐
 これらのエクササイズを忍耐強く毎日毎日やり続けるということです。すると心が大きくなり、心がオープンになります。愛に満ちた人になれます。

 また、シュタイナーは喉のチャクラについても述べています。心臓のチャクラと同じように喉にもチャクラがあり、喉のチャクラもほとんどの人のチャクラは半分眠った状態にあるそうです。このチャクラは仏陀が教えの中で説いた「八正道」を行うことによって活発に働くようになるといわれています。

八正道とは、
 
1、正見(正しい見解)
 正しい視点をもつということ。自分自身の体験を明確に見るということです。

2、正思惟(正しい決意)
 正しい決意は、その人の心からやってくるものです。

3、正語(正しい言葉)
 話される言葉には力があります。言葉は非常に大きな力があり、言葉によって傷つけられることもあります。言葉は注意深く適切に選んで使わなければなりません

4、正命(正しい行為)
倫理的な行為です。人を殺さない、うそをつかない、盗まない、性的な間違いを起こさないなど。また、自分自身の肉体も丁寧に大切に扱うということ。正しく睡眠を取る、正しく食事を取ることなどです。麻薬などを避けること。

5、正業(正しい生活)
  正しい職業につくということ。

6、正精進(正しい努力)
前向きな姿勢で努力すること。

7、正念(思念)
 考えを持ちそのことにずっと意識を向けるということ。

8、正定(正しい集中)
 過去のことも未来のことも考えないで現在のことに集中するということ。正しく目覚めると意識が散漫になりません。

授業を終えて
 シュタイナーの人間の本質の授業は本当に驚くべきものでした。シュタイナーが洞察した人間とはこんなにも深いものだったのですね。皆さんは、どう思われますか?

 私は、体を作ることやいろいろなことを感じたり、考えたりするのは人間の脳の働きによるものだと思っていました。でも考えてみると、脳はただの物質に過ぎないのです。私の中にある自我(精神)が脳を使って様々なことができるようにしているのですね。

 私たちはたくさんのデーターをもとに結果として現れたことしか信じないということに慣らされていて、何の根拠もない中で「人間とはこういうものです。」といわれてもにわかに信じられなくなっています。

 でも私は今回のキース氏の授業を通して、人間の中には自我(精神)があり人間的な成長を促してくれているのだということを感じることができました。

 またシュタイナーの洞察した人間の本質を学ぶことによって、シュタイナー教育で言われている、0歳~7歳までの子どもは体を作る時期であること、7歳~14歳までの子どもは感情を豊かに養うこと、そして14歳~21歳のころに思考の力を養うということの意味が明らかになりました。そのことはやがて自我を獲得していくことにつながるのです。それがシュタイナー教育の目的なのだということが理解できました。

 この授業を通して深く感じたことは、心(精神)の成長は一生続くということです。シュタイナーは人間の魂は輪廻転生を繰り返してずっと進化し続けるのだと言っていますが。

 また、人間としてどのように成長していくべきなのかということが明確になりました。自我を通して自分のアストラル体を変容させていくこと、それが課題なのですね。それにはしっかりとした自我が必要です。

 今回、自分自身を変革していく方法も具体的に学ぶことができました。それは言葉では簡単ですが行うのはとてもとても難しい。

 しかし、自分自身の精神の成長に心を向け努力していくことこそが、子どもの心を育て導くことにつながるのです。私にとって、このことに気づかされたことは大きな学びでした。自分のことはさておいて、自分は一歩高いところから子どもを見下ろして子どもの心の成長云々を言っていた自分に気づかされたからです。ありのままの自分自身を認識する、それは意識魂の働きです。まずそこから努力していきたいと思います。

 また、キース氏は授業のはじめに必ず、前の日の授業の内容を思い出すことができるように繰り返し私たちに問いかけながら説明してくださいました。これはシュタイナー学校でも行われているのだそうです。
前の日に学んだことを思い出し次のステップに進んでいく授業のやり方は、より深い理解に結びついていくことを実感しました。

 授業の終りになって最初の言葉の意味がやっとわかりました。
最初に書かれた言葉は授業が始まる時、必ず毎日言葉と共に動作もつけて唱えていました。

 「私は真実の自分に至る精神への道の途上にある。」
[PR]
by higuchi1108 | 2006-06-30 19:39 | 人間の本質 受講レポート

人間の本質

人間の本質
キース マクラリー

5月22日(月)~6月9日(金)
 「人間の本質」の授業が始まりました。今日から3週間の予定で授業が行われます。子どもに関わって導こうとする教師や親は、人間とはどういうものかということが分かっていないといけないと思っています。特に「心を育てる」という場合にはそうです。

 最近は、子どもの事件や、人とうまく関係性をとることができない子どもの増加などで、社会的にも知識ばかりを詰め込む教育ではなく心の問題を取り上げていかなければという声が高まっています。

 しかし、子どもの心をどのように育てたらいいのでしょう。心は目には見えません。成果が結果としてはっきり見えるわけでもありません。心の教育を取り上げた本を読んでも満足する答えが見出せません。今回、シュタイナーが洞察した人間の本質を理解することができればその答えが見出せるのではないかと思っています。

 この講義の講師をしてくださるのは、キース マクラリー氏です。彼は71歳で現在はハワイに住んでおられます。授業は、キース氏自身のこれまで歩んでこられた人生を詳しく話してくださることから始まりました。

〔1〕自己紹介
 彼は、1935年5月12日、ニューメキシコで生まれました。父は高速道路を作る仕事をし、母は専業主婦でした。9歳のとき、投げた石が鳥に当たり死んでしまった体験、12歳のときに友人が外科手術を受けたこと、第2次世界大戦がやってきて、自分が住んでいたところから200キロメートルはなれたところで原子爆弾のテストが行われ、広島に原爆が投下されたことなどを話してくださいました。

 そして大学生のとき、今の科学に疑問を持つようになったこと、自分自身はまったく真実を分かっていないのだと考え、あらゆることに疑問を持つようになり聖書の勉強を始められました。

 バークレーで高校の教師をしていたとき、たまたまドライブをしていてサクラメントシュタイナー学校を見つけたのだそうです。訪れたときは放課後で子どもは一人もいなかったそうですが、学校の中の物、たたずまいなどが、「ここが子どもにとって一番ふさわしいところだ。ここでは、子どもたちが本当に愛されている」と彼に語りかけてきたのだそうです。

 この話を聞き、私自身もオランダでシュタイナー学校と幼稚園を見学したとき、同じような感情を持ったこと、それ以来シュタイナーのことが知りたくて、この北海道のひびきの村まで来てしまった自分を思い出しました。

 彼は、1966年から69年までメソジスト教会の牧師をしていました。そのとき、教会で働いていた人からシュタイナーの思想である人智学のレクチャーに誘ってもらったのだそうです。その中で「シュタイナー教育は運動であり、もしあなたが未来を形作りたいなら加わってください。」といわれ、シュタイナー学校の教師を目指されるようになったとのことでした。

 キース氏の最初の授業は全部自己紹介で終わりました。今までお会いした先生の中で、自己紹介をこんなにも長くされた方は初めてです。でも、長い自己紹介を聞くことによって人柄もよく分かりとても親しみを感じることができました。シュタイナー学校の先生も最初の授業では自己紹介にたっぷり時間をとられるのでしょうか?生徒とのつながりや信頼関係を作るのにとてもよい方法だと感じました。

 いよいよ「人間の本質」の授業に入ります。
 人間の本質は、『神秘学概論』(ルドルフ・シュタイナー著)の第2章に書かれています。

 人間よ 汝自身を知れ

 私は話すことを考える
 私は話す
 私は話した
 私は自分自身を精神の中に捜し求める
 私は自分自身を自分の中に見出す
 私は真実の自分に至る精神への道の途上にある

 シュタイナーは人間が持っている通常の感覚を超えた感覚を持っていました。そのため、より深く人間を見ることができたのだそうです。シュタイナーは生涯その能力を発展させ人間をより深く見ることを可能にしたのです。


〔2〕人間の本質
シュタイナーは人間の本質には下記のものがあるといっています。

 1、物質体(肉体)、2、エーテル体、3、アストラル体、4、自我、5、感覚魂、6、悟性魂、7、意識魂、8、霊我、9、生命霊、10、霊人です。

これらを順に説明します。

1、物質体
 物質体(肉体)は1~10までの中では唯一目に見えるものです。肉体はお母さんの体内に宿ったときから、死ぬまでずっと存在します。

 人間の体は3つの部分からなっています、ひとつは、頭の領域、そして胸の領域、3つ目が手と横隔膜から下の部分と足です。

 頭の領域は脳の部分で、目覚めた意識を持っています。胸の領域は、肺と心臓があり、呼吸とリズムの領域で感情を担う組織です。感情は大きく分けて、共感と反感があり、夢を見ているような意識です。手足の領域は意志の領域です。新陳代謝や消化器系を担っている組織で、眠っている状態、無意識の領域です。

 私たちの体は、鉱物界に属しています。手も足も胸も頭も鉱物によって作られています。人生を終えるとき肉体は分解され土(鉱物界)に戻ります。

2、エーテル体
 物質的な肉体は通常の五感で認識できますが、物質体以外のものは目には見えません。人間には目には見えないものが内在しているとシュタイナーは言っています。

 人間の鉱物的なものを生命あるものに維持しているものがあります。この力がなければ私たちは死んでしまいます。石には生命は感じられません。エーテル体は生命のないものに命を与えます。それで生命体とも呼ばれています。もしエーテル体がなければ物質体は壊れていきます。

 キース氏が学生時代、生死をさ迷っている患者さんを見舞いに行ったときのことを話してくださいました。彼が見舞いに行くとその人は亡くなったばかりでした。彼の足に触るとその足は冷たくなっていました。暖かい生命を持った人ではありません。このことに直面したとき、まったく命がなくなったということを体験したと述べられていました。その時はエーテル体という言葉を知らなかったけれど、亡くなった人の顔には表情がなく、エーテル体が離れると物質体の形が変わっていくということを実感したそうです。

エーテル体の特徴
① 形成する力
 また、エーテル体とは形成する力だとシュタイナーは言っています。エーテル体が形を維持しているのです。生命を維持するようなエネルギーの力なのです。シュタイナーはエーテル体をあらわすのに建築家といいました。家を建てるときには設計士がいます。設計士はどんな外観にしようかと考える人です。エーテル体はその外観にしようというイメージをもって肉体を作り上げていくのです。

 エーテル体は物質体に浸透しています。心臓から手足、手足から心臓へというエネルギーの流れがあるのです。キース氏は、東洋でいう「気」のようなものだと述べておられました。人間の体の中を流れているエネルギーです。それはただ動いているだけではなく肉体を常に変化させるものです。今の科学でも「体の中に7年前に存在していたものはもう存在しない。7年のサイクルで変わっていく。」と言われています。

 キース氏は、「私自身も以前の私の姿ではありません。髪の毛も薄くなり、背の高さも5cm低くなりました。年を取り変化しています。」とおっしゃっていました。

 それに比べ、小さな子どものエーテル体はとても活動的です。特に5歳から7歳ごろに重要な変化があります。歯が抜け変わります。これは、父母から遺伝された肉体から自分自身の肉体に作り変える最初の出来事です。歯の生え変わりは、今まで肉体を作ることに懸命だったエーテル体が新しいことを行う準備ができたことを知らせてくれているのです。

② 新しい力というのは記憶です。
 6歳~7歳ごろになると文字を覚えたり、九九を覚えたりすることができるような準備ができます。もし、このようなことが6~7歳以前に行われると子どもから体を作るためのエーテル体を奪ってしまうことになります。早期教育の弊害がここに現れるのですね。

 シュタイナーは、過去の記憶を人間のエーテル体の中に持っているだけではなく地球そのものもエーテル体を持っているといいました。地球には植物、動物、人間だけでなく地球を取り巻いている何かがあるのです。それをエーテル界と呼びます。地球を取り巻いている大気のイメージです。

 地球のエーテル体は地球で起こったそれまでの事を記録しているのだそうですこれをアカシャレコードと呼んでいます。こういったことを見ることができる人はこの記録を読むことができました。そのような人は少ないですがシュタイナーもそういう力を持つ一人でした。そして様々なことを私たちに教えてくれています。

③ エーテル体は習慣とも関係しています。
 たとえば、歩くことは最初は簡単ではありません。何度も転び失敗を繰り返して歩けるようになります。やがて歩くことは習慣となり今の私たちにとって歩くことは難しくなくなります。頭で考えるのではなく筋肉がどうやって歩くのかを記憶しているのです。小さいころ自転車に乗れた人は、しばらく自転車に乗らなくても乗り方を忘れていません。これも同じ原理です。

④ エーテル体は気質にも関係しています。
 気質とは生まれたときから持つもので、4つに分類できます。様々な特徴がありますがおおまかに分けると次のようになります。

 胆汁質―リーダー的。強引なところがある。
 多血質―社交的。色々なことに気が散りやすい。
 憂鬱質―こまかな気配りができる。最後までやりぬく。神経質。
 粘液質―静かで穏やか。忍耐力がある。食べることが好き。動作がゆっくりしている。

 私たちは、だいたい2つ3つの気質をあわせ持っていますが、その中の一つが優勢をしめています。私たちのエーテル体の中に気質は住みついています。気質は目には見えないけれど物質体に働きかけた結果として見えるようになります。

見えないものが見える体験
下の図のような赤い三角をじっと見つめていると、薄い緑が輪郭の周りに見えます。黄色の丸は、薄紫が輪郭のまわりに見えます。オレンジの四角は、水色が浮かび上がって見えます。白いところへ目を移すと浮かび上がった色が白い方へ移動します。補色が見えるのですね。「わー 見えた!」という感じです。皆さんも一度、試してみてください。

a0071985_1933171.jpg


エーテル体の活動の中に感情移入(エンパシー)があります。
 それは、この4つのプロセスによってなされます。

1、他者に関心を持つ。好奇心や批判を超えた純な関心でなければなりません。
2、そして自分自身という存在を他者にまで広げます。他者に届くのです。
3、他者に届いたものが自分に返ってきます。
4、そして他者の本質を直接体験します。他者と一つになるのです。

 大切なことは他者に対して関心を持つということです。他者に対する関心が好奇心ではなく、また、批判を乗りこえて純なものであれば感情移入が起こります。私たちの一部が他者に届き他者に入りこんでいく。そして他者の中に入り込んだものが私の中に戻ってきます。このプロセスを踏むことによって他者と一つになる体験をします。

 キース氏はこういった体験を世界のすべてに広げていくことが大切だといわれます。特に自然界の現象に対してこのことをあてはめます。草や木、森や林に関心を向け、その植物がいったい何であるかをつかみ取ります。そして自分自身にかえってきたとき、そのものの本質を見ることができます。これは知的なものを超えたものですと言われていました。

 イエスキリストは、子どものような意識がどれだけ大切であるかを語っています。子どものような精神をもたなければ天国に入ることはできないと。幼子はすべて外に開かれた意識を持っています。批判や評価といったものではなくあるがままに受け入れます。子どものような意識を持つことが大切なことと、私たち大人は同時に成熟した叡智(知識)をも持っていなければなりません。子どものような純な精神と成熟した叡智(知識)が一つになったとき、私たちはエーテル的な体験ができるのですと。

 また、キース氏はエーテル体の感情移入(エンパシー)のあり方で否定的な側面も見られるといわれました。

 母と子どもには強い感情移入の結びつきがあります。お母さんは子どもがお腹にいるときからとても強いつながりを感じます。子どもも自分が世話をされていると感じています。特に最初の7年間はこのような結びつきが強くあります。もし、子どもが傷ついたりするとお母さんも同じように痛みを感じます。子どもが笑ったり、楽しくしているとお母さんも同じように感じます。

 ところが、子どもが小学校へ行くようになっても、お母さんが子どもをつなぎとめていて、あまりにも子どもを離さない場合があります。そのお母さんは子どもを守っていこうとしているのですが…。母親の過保護は子どもの成長という根を切ってしまいます。子どもは無意識のうちに寄りかかる関係を望むようになります。お互いに依存しあう、縛りあう関係になります。人として手に入れなければならない自由がここにはありません。

 父親もエーテル体の結びつきを持っていますが、母親ほど強くはありません。中には、非常に強く子どもを自分の方に引っ張りつけようとする父親がいます。両親が子どもに期待をかけすぎると子どもは萎縮してしまいます。

 結婚した二人の関係にもエーテル的なつながりがあります。お互いが依存しあう関係はもたれかかっている関係です。一番不幸な形は虐待です。夫が妻に怒鳴ったり暴力をふるったりします。妻は意識的にではないにせよ、わざとそれを引き起こそうと仕向ける場合があります。

 これらの事柄は、エーテル体の関係の否定的な面を物語ったものです。

3、アストラル体
 アストラル体はエーテル体のように目には見えません。エーテル体は物質体に入り込んで眠り込んでいる存在ですが、アストラル体は触る、聞く、見る、味わう、嗅ぐといった感覚で目覚めています。アストラル体は特に喜び、痛みなどの感情です。また、アストラル体は私たちの情熱、願望、欲望に深く関わっています。
 
 エーテル体は歯の生え変わりが起こる頃(7歳ごろまでに)肉体を作り出すように、アストラル体も13、14歳ごろから変化が生じます。

① 性的に目覚める
 他の人間存在に性的にひかれるということが起こるのです。これを思春期と呼び、人間の中に沸き起こってくる新しいエネルギーともいえます。これはすばらしいエネルギーです。暖かさ、火のようなものです。火は正しく扱わなければやけどをしますが、同時に暖かさ、光をもたらします。誰かに恋をしたときに暖かさに魅せられます。
アストラル体は痛みと喜びを感じます。

② 新しい思考が生まれる
 7歳から14歳までは社会生活の中で感情を育てるときなのですが、14歳以降アストラル体の中心的な活動は新しい思考を学ぶことに変わります。14歳以前の思考は具体的でイメージ的なものですが、14歳以降は抽象的な概念や理念に変わるのです。

4、自我
 物質体は鉱物界と共有しています。エーテル体は植物界と共有しています。アストラル体は動物界と共有しています。動物は見る、聞く、味わうことができます。動物たちは非常に強く感覚の世界に生きています。

 人間はこれらのもの以外にもう一つ特別なものを持っています。動物たちが気付くことができない意識です。これを自我といいます。動物たちもコミュニケーションすることができますが、人間のように言葉を発達させることはできませんでした。人間は肉体的には手を持っています。人間は直立した姿勢を持つことができ、手が自由に使えるようになりました。自由に物がつかめるようになったために、たくさんの道具を作ることができました。
現在のような人間のあり方ができるのは、自我があるからなのです。

 アストラル体だけだったら物事を忘れ続けます。自我が過去をもたらして人間に現在を与えます。たいていの人は自分の誕生日を覚えています。動物は自分がいつ生まれたのか記憶していません。時間の感覚がありません。過去を思い起こすのは人間だけのものです。

 人間は願いを持ったり理想を持ったり未来のへのビジョンを持つことができます。動物は今を生きていますが、人間はある目標を目指して何年も努力することができます。その願いは自我から来ています。

5、感覚魂
 私たちは目を通して何かを見ます。見ることによってこれはどういうものかという知識をつかみとります。そのつかみとったものを自分の中に取り入れて消化します。知覚したものが知識となります。自我がその事物を取り入れたときアストラル体よりもより深く取り入れます。そういった活動を感覚魂といいます。感覚魂はまだ自分自身の感情が巻き込まれています。アストラル体と感覚魂が共同で働くことを魂体と呼ぶことがあります。

6、悟性魂
 感覚魂がもっと成熟してくると自分の中に取り入れるだけではなく、一歩離れて遠くから見て分析できるようになります。それを悟性魂といいます。自分が見ているものを客観的な立場で見ることができます。物事をどんどん細かく分析していくことも悟性魂の働きです。この活動は科学者や機械工にも見られます。車を見て、エンジンやハンドルなど細かな部分に分けていきます。

 悟性魂は分類する、整理整頓をするという活動です。物事を分類するというのは悟性魂の働きです。これは、知ることから一歩進んでより深く自分のものにするステップです。

7、意識魂
 自我がある程度まで成長すると意識そのものを意識するようになります。自分の思考を考えるようになります。自我に意識的になることが意識魂の芽生えです。自分自身に目覚める、自分自身を客観的に見ることが意識魂です。
 
8、霊我
 自我がアストラル体を取り込んでアストラル体を変容させたものを霊我といいます。アストラル体は感覚を担っているものです。さまざまな欲求、のどの渇き、性欲などアストラル体の働きです。たとえば車が欲しい、素敵な服が欲しいなどは物質的な欲求です。これらの感情を私たちはコントロールできないと物質の奴隷になってしまうことがあります。

 しかし自我がアストラル体を支配し、アストラル体を変容させることができたら新しい力になります。欲求が私たちを支配するのではなく、私たちが様々な感情や欲求をコントロールするのです。キース氏は、物質欲が変容すると手に入れたものを他者のために使うことができるようになりますと述べられていました。これが霊我の力です。

9、生命霊
 生命霊は自我の働きによってエーテル体が変容したものです。エーテル体は気質や習慣、記憶を担っています。生命霊の働きで自分の気質を変容させることを試みます。憂鬱質の人は物事に対していつも不平や不満を抱く傾向が強いのですが、感謝の気持ちに変容させることができます。胆汁質の人は強引に自分の意見を押し通すのではなく抑えます。多血質の人は、じっくり最後までやり抜くことを試みます。そのようにして自分の気質のバランスを取るのです。

また、悪い習慣も新しい習慣に作り変えることを試みます。

 また、記憶も変容させることができます。悲しみの記憶や不愉快な記憶のその場面に戻って自分を傷つけた人を許すのです。自分がある人を傷つけた場合、その人のところへ行って許しを請うのです。困難な記憶を変容させるのです。

10、霊人
 自我の働きによって肉体をも変容させることができるようになります。これは、とても難しく理解不能のように思われるかもしれません。


〔3〕年齢ごとに分類
 シュタイナーは人間の本質について1~10のように語っています。そして、将来に向けて、常に自分自身を変容させることを生涯求めて生きていくことの大切さを私たちに語ってくれています。

0歳~ 7歳  
 肉体の活動が活発な時代

7歳~14歳  
 エーテル体が自由になり、さまざまなことを覚えたり学ぶということができるようになる。

14歳~21歳 
 思考を育てる。21歳ごろに自我が目覚め感覚魂が活発になる。

21歳~28歳 
 感覚魂はアストラル体と結びついているので性に魅せられる。結婚する人が多い時期。

28歳~35歳 
 28歳ごろになるといろいろなことを整理することができるようになり、他者に対し         て秩序立てて説明することができる。悟性魂が活発に働く時期。

35歳~42歳 
 意識魂が活発に働く時期。自分自身の人生を振り返って観察することができる         ようになる。自分自身を意識することができる。自分は大河の一滴だと認識する         ようになる。

42歳~49歳 
 霊我を目指す。キース氏は、現在の文化は自分自身をありのままに見せるのではなく思春期に戻る人が多いといわれました。自分の年齢よりも若々しく見せようと懸命になるのです。シュタイナーは自分の年齢を取り入れて自分が衰えてきたことを認め、精神的な書物を読んでより深く自分自身に根を下ろすことだといっています。

49歳~56歳 
 生命霊を目指す。自分の気質のバランスを取る時期。悪い習慣を持っていたらそれを壊して新しいものに作り変える。新しい習慣を作るのは生命霊の働き。

56歳~62歳 
 霊人を目指す。肉体を癒すということ。自分の肉体が衰えていくことを感じ死ぬ準備をします。死を見つめるということは自分の生きた人生を整理して残された人生を他人に尽くすということ。


 シュタイナーは時代の流れの中にも、人間の意識の発達を見ることができる
といいました。

〔4〕人間の意識の変化

① 古代インド期(第1期)
 この時代の人々は精神的でした。彼らは精神界の人々とコンタクトをとることができました。まだ地上には根を下ろしていなくて漂っているようでした。この時代は、狩猟の時代です。

② 古代ペルシャ期(第2期)
 アストラル的な力が働いていた時代。精神的であることが少なくなってきました。精神界があることは分かっていましたが、コンタクトを取ることが少なくなりました。この頃から家畜を飼い、農耕が始まりました。

③ 古代エジプト期(第3期)
 感覚魂の時代。より物質的になりピラミッドなど高い建造物が立てられました。

④ 古代ギリシャ、ローマ時代(第4期)
 悟性魂の時代。この時代になると精神界とのコンタクトは途絶え、物質的になりました。完全に地上に降りた状態。ソクラテス、プラトン、アリストテレスなどが活躍した時代です。ローマの町はきれいに整理されて作られました。

⑤ 現在(第5期)
 現在は1413年から始まっているといわれます。ルネッサンスの時代です。現在は意識魂の時代です。自分の自伝を書き始めた時代です。他者の伝記も書いていましたが、自分の伝記を書くというのは一歩退いて自分を見つめなければ書けません。

 これはヨーロッパ中心の世界史で,他の国々での人間の意識がここに記されているような時代のように変化してきたのではないと思うのですが、今の私たちの意識は自分自身を意識できるようになっていると思います。
 
 この自己意識を私たちは未来に向けて変容させることができるとシュタイナーは言っています。
 
 それは、霊我、生命霊、霊人を目指すということです。

⑥霊我の時代(第6期)
⑦生命霊の時代(第7期)
⑧霊人の時代(第8期)
[PR]
by higuchi1108 | 2006-06-30 19:11 | 人間の本質 受講レポート