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シュタイナー治癒教育家養成講座

5月13日
 ゴールデンウイークの5日間、シュタイナー治癒教育家養成講座がありました。
この講座は、友だちとの関係がうまくいかない、人の話が聞けない、学習についていけない、我慢できなくてすぐに切れるなどさまざまな困難を抱えた子どもたちの治癒をめざして始められました。全国から子どもを連れて参加されている親御さんや学校の先生など50名程の方がひびきの村にやってきました。この治癒教育家養成講座は全6回行われる予定で今回は4回目でした。私は今回が始めての参加で前回からの学びの続きがあり理解できない部分も多く、皆さんにお伝えできるのは講座の一部であることをお許しください。私なりに理解できたこと、感じたこと、考えさせられたことをお伝えします。


7つの生命プロセス、学びのプロセス 
講師 リサ ロメロ
 リサ ロメロ氏の「7つの生命プロセス、学びのプロセス」という講座がとても印象に残りました。リサ ロメロ氏はオーストラリアの方で、人智学(シュタイナーの思想)をもとにした健康療法家です。人智学の薬とセラピーを研究し、予防と体質改善、慢性疾患についての個別のカウンセリングなどさまざまなことに取り組んでおられます。

7つの生命プロセスとは

呼吸―体温調節―栄養摂取―分泌(分類)―個体保存―成長―再生

この7つを指します。
 生命プロセスの役割は、「生命を作り出す」ということと「まわりのすべての生命について学べるように手助けしている」ということです。

1、まず呼吸です。
 呼吸はただ空気を入れて出すだけではありません。空気を吸い込むときに栄養も取り込みます。呼吸は私たちにへその緒のような役割をしているのです。呼吸にはリズムがあり(吸う、吐く)、呼吸をすることによって世界とつながっています。

2、体温調節
 私たちの体は、冷たいものを食べたとき体を温めようとします。
逆に、熱いものを食べたら体を冷やし始めます。いつでも外から取り入れたものを調度いい温度(個人差があるが36度~38度)にあわす必要があります。あまり冷やし過ぎると風邪を引きますし、温めすぎるとやけどをします。外界からの一撃を和らげて自分の体の中で適温に保つようにします。

3、栄養摂取
 外界からやってきた物質をバラバラにして自分の中に取り入れるプロセスが栄養摂取です。たとえば、にんじんを取り入れた場合、にんじんらしさをバラバラに分解しなければなりません。言いかえると世界のあるものを克服するプロセスでもあります。アレルギー反応は、異質な物質を分解できない状態を言うのだそうです。たとえ話で、飛行士に完璧な栄養剤を与えたところ消化器官を弱め病気になったそうです。最近はサプリメントなど栄養剤に頼る傾向がありますが、外からやってきたものと戦い克服することが大切ですといわれていました。分解と克服のプロセスが栄養摂取です。

4、分泌
 分類という言葉の方が適切です。分泌は生命プロセスの中心であり、プロセス全体をまとめる役割です。たとえば、にんじんを食べます。にんじんをブロックの状態まで分解します。その分解されたものを体に取り入れるのは、個々人でちがいます。5人の子どもを同じ親が育てても、みんなちがう人間になるように、みんな同じにんじんを食べてもそれぞれちがうたんぱく質を作りだしています。分解したものを分類し、必要なものを取り込み、いらないものを排出します。

5、個体保存
 若返ったり、回復したり個体保存のプロセスです。取り入れたものを分解し必要なものを保存していくのです。たくさん取り入れたのに少ししか取り込むことができない人や、少ししか取り入れていないのにたくさん取り込むことができる人など、人それぞれで違います。個体保存には、呼吸や体温調節、栄養摂取、分泌といったものが適切に働いていなければなりません。

6、成長
 0歳から7歳までに著しい成長が見られます。傷が治るもの成長のプロセスが必要です。心や魂の成長は限りがありません。ずっと成長し続けます。生命のプロセスでは、体の成長が最優先です。

7、再生
 骨が折れたとき、回復していくプロセスに再生していく様子が見えます。
 

学びのプロセス
 学ぶことと、この生命プロセスが対応しています。
受け取る   - 呼吸     (意識的に働きかけができる)
結びつける  - 体温調節         
消化する   - 栄養摂取
個人化する  - 分泌、分類
 実践する   - 個体保存           
成長する   - 成長     (無意識のうちに獲得するもの)
創造する   - 再生

生命プロセスにおいては、働きかけができる領域でバランスがくずれると病気になります。どこがうまくバランスが取れなくなっているかを調べ治療します。同じように学びのプロセスにおいて子どもをどう助けるかは、どこでつまずいているかをさぐることによって助ける方法が見つかります。

1、受け取る
 自分の前にある事実が何であるかとらえる必要があります。そのものが好きか嫌いかという感情を入れずに事実そのものを受け取ることが大切です。事実は質問する必要のないものです。
つまずき ― 事実よりも個人的なもの(好きか嫌いか)として受け取ってしまいます。嫌いなものは自分に関連づけようとしない。

2、結びつける(関連づける)
 受け取ったものを、自分自身に関連づけます。これは、学ぼうという熱意があって内的なつながりをつけるのです。これには時間がかかります。
つまずき - 無関心
       取り入れたものを自分と関連づけない。興奮しすぎている場合
       や「もう知っている」と受け取らないこともあります。教師はこの事物と関連付けるこ        とを例で示すことが大切です。

3、消化する
 見て受け取り、関連づけることによって自分で理解しようとします。
つまずき - 向き合うことを恐れる。
        あまりにも難しい、あるいは「いつもだめなんだ」と過去の経験を否定的に持ち込ん        だとき。
 楽しめるようにするには、できることよりもちょっとだけ難しくしてあげる
ことが大切です。子どもたちが自分でできるんだという体験がいいのです。
それには質問が助けになります。

4、個人化
 自分のものにするということです。個人化とは、自分の意見を他の人に押
付けるのは個人化ではありません。自己中心的ではありません。

5、実践
  自分のものとなったものを実践します。
 つまずき - 自分の判断に自身がもてない。
          結果をほしがる。
          完全主義。

 教師としての働きかけは、「実践」のところまでです。他の人(子ども)のために新しいものは作ることはできません。

そして
6、成長する
7、創造する
      が続きます。

 リサさんは、学びのプロセスは生命プロセスとちがって意識的にできるといわれます。何を取り入れるか情報は選ぶことができます。空気は良かろうが悪かろうがすべてを取り入れますから。また、取り入れたものが多ければ多いほど自分と結びつけることができるのです。聞いたことのない言葉は、どこに分類したらいいかわかりません。より広い基盤があるとたくさんのものを関連することができるのですと。

 そして、結びつけることは学ぶことの熱心さによって増すことができ、消化するものに闘い挑むことによってより多くを得、実践は決意をともな行為ですと述べておられました。

 そしてこの生命プロセスと学びのプロセスが人類の進化とも対応しているのだそうです。現在の私たちは受け取ったものを関連づけ、消化し、個人化し、実践することが意識的にできます。
成長し、創造することは無意識にできるものです。未来の私たちは、意識的に成長し、創造することができるようになるのでしょうか。今、私たちが学びのプロセスで大切にしなければならないものは、学んだことを自分のものにすることですと言われていました。

 この講座での一番の驚きは、生命プロセスと学びのプロセスと人類の進化のプロセスが対応しているということでした。
 
 今までこのように関連づけて考えたこともなかったし想像もつかないことでした。でも、なるほどと納得したのでした。今、子どもたちは学校で学んでいます。私自身も学校で学びましたが、さまざまな知識を関連づけ、それを消化し、自分のものとなり、実践までできたかというと考えさせられます。一方的に「知識を覚えなさい。」と言われただけで関連づけるどころから、もうつまずいていたように思います。このプロセスを経てはじめて学んだことが生かされるようになるのですね。今のような表面的な知識がけを詰め込む教育のありかたを問い直さなければと思わされました。

 また、この講座でリサさんから「特別な手当て」を教わりました。もう気持ちのいいこと、リラックスしすぎて手当てを受けている間に眠ってしまったほどです。

 人間の体は、3つの構造からできているといわれます。(3層構造)
神経、感覚の領域(吸収する極)、いわゆる頭の部分です。真ん中がリズムの領域、心臓の部分です。3番目が手足、新陳代謝の領域(発散する極)です。現在の人間は特に2極の間にある真ん中の領域が欠けていて、どちらかに偏っているといわれます。この「特別な手当て」とは、頭を使いすぎてガンガン痛いときなど感覚神経に偏っているとき、あるいは手足のほうが興奮状態で落ち着かないなど新陳代謝の方に偏ってしまっているときなど、どちらかに偏よった体にバランスを取り戻してくれる手当てです。

 植物は人間とは上下が反対で、根っこの部分が感覚神経の部分で花のほうが新陳代謝の方になっています。葉の部分が真ん中のリズムの領域です。植物でこの3つのバランスが取れているのは「バラ」なのだそうです。

 ラベンダーを見てみますと、根っこの部分に葉が偏っていて、茎がスーと長く伸びその上に小さな花をつけます。明らかに感覚神経のほうに偏っています。カモミールは葉の形も根のような形をしていて感覚神経系がリズム系にまで押し寄せてきている植物です。花も小さいです。ローズマリーは逆に葉の間に小さな花を咲かせます。新陳代謝系がリズム系にまで押し上がってきている形をしています。このようにアンバランスな植物が薬になるのだそうです。ラベンダーやカモミールのように感覚神経に偏った植物は、同じように感覚神経に偏った人にあげるといいのだそうです。「あなたもこうなっているのよ。」とラベンダーが教えてくれ、バランスをとりもどしてくれるのです。ローズマリーはその逆です。

 わたしは、「腹部に行うカモミール湿布」をしてもらいました。カモミールの花を沸騰したお湯の中に入れ、それをこし器でこしながら湿布のガーゼに浸し絞ります。患者さんはベッドに横になり、それをお腹に湿布してもらい、さらに体全体を毛布でくるんでもらいます。お腹がふんわり温かく毛布でくるまれている安心感と心地よさから、自然と意識が遠くになりぐっすり寝込んでしまいました。頭が痛いときや肩がこっているときなど、「してもらいたい」手当てです。「ショウガの腎臓湿布」や「レモンの足湯」なども教えてもらいました。どれも神経を使いすぎる現代人にぴったりの癒しの治療法です。
カモミールやラベンダー、ローズマリーといった植物がなぜ体にいいのかという謎も解け、癒しの講座を終えました。
 
         
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by higuchi1108 | 2006-06-14 20:51 | 治癒講座